長期記憶に効く英単語の覚え方|忘れない暗記習慣の作り方
- 学習塾 きずな
- 11月18日
- 読了時間: 12分
▶︎1. 英単語の長期記憶に効く覚え方とは?
1.1 なぜ英単語が覚えられないのか?記憶のメカニズム
英単語を覚えようとしても、数日経つと忘れてしまう。そんな経験ありませんか?
実は、これは記憶の仕組みによるごく自然な現象です。
私たちの脳は、新しい情報を一時的に保管する「短期記憶」と、長期間にわたり保持する「長期記憶」によって構成されています。英単語を確実に覚えるには、この短期記憶から長期記憶へうまく橋渡しする必要があります。
覚えた英単語がすぐに消えてしまう理由は「記憶が定着する前に忘れてしまう」からです。
具体的には、次のような記憶のメカニズムが関係しています。
一度覚えて満足してしまう
→「この単語覚えた!」と感じても、数日後にはほとんど忘れていることが多いです。
単語帳を順番通りにしか見ない
→最初のページの単語ばかり覚えてしまい、後ろの単語は記憶に残らないという偏りが生まれます。
意味だけを見て表面的に覚える
→スペルや発音、文脈などをセットで覚えないため、記憶が浅くなります。
短期記憶から長期記憶に移すには、次のような工夫が必要です。
繰り返し復習する(反復)
違う方法で複数回インプットする(多感覚)
思い出す練習をする(リトリーバル)
これらをうまく取り入れることで、英単語はしっかりと記憶に残ります。
1.2 英単語の長期記憶を妨げるNG習慣とは?
せっかく時間をかけて英単語を覚えても、なかなか定着しない…。
それには無意識のうちにやってしまっている“NG習慣”が影響しているかもしれません。
実は、英単語の長期記憶を邪魔する習慣には共通点があります。
以下のような習慣に心当たりがあれば、改善することでグッと覚えやすくなります。
寝る直前だけの勉強
→ 睡眠中に記憶が定着するとはいえ、直前に詰め込みすぎると脳が整理しきれず逆効果になることがあります。
何度も同じ順番で覚える
→ 単語帳をいつも1ページ目から順に進めると、「順番」で覚えてしまい、単語そのものが記憶に残りにくくなります。
意味だけを何となく読むだけ
→ 単語を目で追うだけの学習では記憶の定着が浅く、すぐに忘れてしまいます。
復習の間隔が空きすぎる
→ 一度覚えても、1週間以上放置すると記憶が一気に薄れてしまいます。
たとえば通勤・通学のスキマ時間に、スマホアプリでランダム出題される単語クイズを使えば、自然と順番依存を防げます。
また、朝と夜の2回学習するだけで記憶の安定感がぐんと増しますよ。
「やってはいけない習慣」を変えるだけで、英単語の記憶力は一気にアップします。
▶︎2. 英単語の覚え方を強化する長期記憶法の基本
2.1 忘却曲線を活かした復習タイミングとは
英単語を長く覚えていたいなら、「忘れるタイミングで復習する」のがポイントです。
この考え方は「エビングハウスの忘却曲線」に基づいています。
この理論によると、人は何も復習しなければ、覚えた内容の約70%を1日以内に忘れてしまうことがわかっています。
だからこそ、復習のタイミングが記憶の定着に直結します。
次のようなタイミングで復習すると、記憶の保持率が格段にアップします。
1回目:学習直後(当日)
2回目:翌日(24時間以内)
3回目:3日後
4回目:1週間後
5回目:2〜3週間後
6回目:1か月後
このように間隔を広げながら復習する方法を「スペースドリピティション(間隔反復)」と呼びます。 最初はこまめに、徐々に間隔を空けていくのがコツです。
2.2 「思い出す力」を鍛えるエラー駆動型学習
英単語の長期記憶を強化するには、単に見て覚えるだけでなく、「思い出す練習」が不可欠です。
この方法は「リトリーバル・プラクティス(検索練習)」と呼ばれ、記憶科学の分野でも高く評価されています。
人間の脳は、「思い出す」という行為によって記憶を強固にする性質があります。
その際、カギになるのが「エラー駆動型学習」です。エラー駆動型とは、あえて間違えることを前提にし、間違えたときに強く記憶に残る性質を利用した学習法です。
たとえばこんな方法があります。
単語テストを先に解き、答えを見て修正する
単語帳の意味を隠して、発音や意味を自分で思い出してみる
クイズ形式で「自分で答える」時間を増やす
これにより、ただ読むだけの学習よりも2〜3倍記憶に残りやすいと言われています。
「思い出す→間違える→覚え直す」このサイクルが、長期記憶には欠かせません。
▶︎3. 長期記憶につながる英単語の覚え方【実践編】
3.1 スペースドリピティションの活用法
英単語を長く覚えるには、同じ単語を間隔を空けて繰り返し学習することが大事です。
これを「スペースドリピティション(間隔反復)」といいます。
短期間に何度も繰り返すより、間隔を空けて復習した方が記憶に残りやすくなるのが特徴です。
この方法は忘却曲線に逆らわず、むしろ活用して記憶に定着させる科学的な学習法です。
以下のようなスケジュールで復習することで、記憶は定着しやすくなります。
1日目:新しい英単語を学ぶ
2日目:前日に覚えた単語を復習
4日目:もう一度復習
7日目:1週間後に復習
14日目・30日目:月単位で復習
1語1語にこのスケジュールを適用するのは大変ですが、アプリやスプレッドシートを使えば管理できます。
3.2 クイックレスポンスと高速周回のコツ
「何度も繰り返せば覚えられる」と分かっていても、時間が足りない…。
そんなときに有効なのが、クイックレスポンス(即答練習)と高速周回です。
短時間で大量の単語に触れることで、記憶の定着スピードが格段に上がります。
この方法は、1語にかける時間を極力短くし、テンポよく「見る・言う・思い出す」ことを繰り返すのがポイントです。
単語を見たら、1秒以内に意味を答える
答えられなければすぐに答えを確認
間違えた単語にはマークをつけて重点復習
このテンポ感を重視することで、1回10分で50〜100語の確認が可能になります。
単語カードやアプリを使って、1日3回の「即答タイム」をつくる
通勤・通学時間を「1周目の確認タイム」にする
寝る前に2周目・3周目の復習を行う
スピードと回数を意識することで、記憶の効率はグンとアップします。
3.3 書いて・話して・覚える!五感を使った暗記術
目で見るだけの学習、なんとなく流していませんか?
英単語を確実に長期記憶に残したいなら、「五感」をフル活用するのがポイントです。
書いて、声に出して、耳で聞いて…複数の感覚を同時に使うことで記憶は圧倒的に定着します。
これは「マルチモーダル学習」と呼ばれる方法で、教育心理学でも効果が証明されています。
書く(運動感覚)
→ 手で書くことで記憶に残りやすくなります。特にスペルや語順を覚えるのに効果的です。
声に出す(聴覚+発話)
→ 発音しながら意味を言うことで、視覚だけでなく聴覚と発話中枢も刺激されます。
音声を聞く(聴覚)
→ ネイティブの発音を何度も聞くことで、正しい音と意味がセットになります。
見ながら動く(視覚+運動)
→ 単語カードをめくったり、身振り手振りを交えたりすることで、学習内容が身体に染み込みます。
「見る・書く・話す・聞く」を組み合わせるだけで、記憶の残り方がまったく違ってきます。
▶︎4. 英単語の意味をイメージで記憶する方法
4.1 語源・語根から理解する覚え方
英単語を見ても意味が思い出せない…。そんなときに役立つのが「語源・語根」を活用する覚え方です。
単語の構造を理解すると、意味を丸暗記しなくても自然に思い出せるようになります。
語源とは、単語のもとになった意味やルーツのこと。たとえば「transport」は「trans(越えて)」+「port(運ぶ)」で「運ぶ」という意味になります。
語源で単語を理解すると、次のようなメリットがあります。
意味のつながりが見えて、理解が深まる
派生語や関連語も同時に覚えやすくなる
長文を読んだときに意味を推測しやすくなる
たとえば「dict(話す)」という語根を知っていれば、「predict(予言する)」「contradict(反論する)」などの単語も関連づけて覚えられます。
このように、意味を「暗記する」のではなく「構造として理解する」ことで記憶は定着します。
意味の流れを感じながら学習すれば、記憶の深さがまったく違ってきます。
語源を理解すれば、知らない単語でも意味を推測できる力が身につきます。
4.2 イメージ連想で記憶がグンと深まる
英単語を見ても意味がピンとこない…。そんなときは、視覚イメージや連想を使うのが効果的です。
人の脳は「映像」や「物語」のようなイメージと結びつけることで、記憶しやすくなります。
この方法は特に、抽象的な意味をもつ単語や、スペルが似ている単語の区別にも役立ちます。
単語の音やスペルからイメージを連想する
→ 例:「glow(輝く)」は“ろうそくの光”を思い浮かべる
意味から具体的な場面を思い浮かべる
→ 例:「rush(急ぐ)」は“駅で走っている人”の光景を想像する
単語を日常の出来事にひも付ける
→ 例:「freeze(凍る)」は“冷凍庫のアイス”を開けるシーンなど
イメージがはっきりしているほど、脳はその単語を「重要な情報」として記憶に残してくれます。
イメージは“記憶のフック”になります。使えば使うほど記憶力が高まります。
4.3 例文とストーリーを活用する長期記憶術
単語の意味を何度も見ているのに、すぐに忘れてしまう…。
そんなときに試してほしいのが、例文やストーリーとセットで覚える方法です。
単語単体ではなく、「文の中でどう使われるか」を意識することで記憶は飛躍的に安定します。
これは「コンテキスト記憶(文脈記憶)」と呼ばれる手法で、実際に言語を使う場面を想像しながら学習するのが特徴です。
たとえば「concern(心配)」という単語は、「I'm concerned about your health.(あなたの健康が心配です)」という例文とセットにすると、意味も使い方も一気に頭に入ります。
ストーリー仕立てにすると、さらに記憶の定着率が上がります。
毎回、覚えたい単語で「3語以内の例文」を作ってノートに書く
朝に1文作って、夜にもう一度読み直す
覚えた単語を使って「今日の一文日記」を書いてみる
たとえば「improve(改善する)」なら、「I want to improve my English.」といった実用的な例文を作ると、意味と使い方が一発で身につきます。
文脈で覚えた単語は、実際の会話や読解でも使える“生きた語彙”になります。
▶︎5. 英単語の長期記憶を実現する学習習慣
5.1 目標設定と逆算スケジュールの作り方
英単語を本当に身につけたいなら、「どれくらい覚えたいのか」「いつまでに覚えたいのか」をはっきり決めることが大切です。
なんとなく学習を続けていても、記憶の定着や成果は上がりません。
英単語学習を長期記憶につなげるには、具体的なゴールと逆算スケジュールが欠かせません。
まずは、自分が覚えたい英単語の数と期限を決めましょう。
例:1か月で300語を覚える
例:3か月で1000語をマスターする
次に、その目標を週単位・日単位に分解します。
1か月で300語 → 1週間で75語 → 1日約11語
3か月で1000語 → 1週間で約84語 → 1日約12語
このように数値で具体化することで、日々の学習が「やるべき行動」として明確になります。
逆算スケジュールの立て方(例)
目標:3か月で1000語
計画:
期間 | 学習内容 |
1〜4週目 | 毎日12語覚える+翌日の朝に前日の復習 |
5〜8週目 | 毎日10語+前週の復習 |
9〜12週目 | 新出語は5語に減らし、復習中心に切り替える |
こうした逆算と調整を繰り返すことで、無理なく長期記憶に変えていけます。
5.2 毎日の英単語学習ルーティンを定着させる方法
どんなに優れた学習法でも、続けなければ意味がありません。
そこで重要になるのが、「毎日やるのが当たり前」になるようなルーティン化です。
英単語を長期記憶に変えるためには、日々の学習を無理なく“習慣化”することがカギです。
ルーティンが身につくと、モチベーションに左右されず自然と学習を継続できるようになります。
決まった時間・場所で行う
→ たとえば「朝起きてすぐ5分」「寝る前ベッドで10分」など、生活リズムに組み込むのがコツです。
学習内容を固定する
→ 「朝:新しい単語10語」「夜:前日の復習とクイズ」など、内容が決まっていれば迷いなく始められます。
タイマーやToDoリストを使って見える化
→ 毎日の達成感が積み重なると、自信にもつながります
こうしたルーティンを3週間ほど続けると、自然と“やらないと落ち着かない”状態になります。
学習を習慣にできれば、努力なしで英単語がどんどん記憶に残るようになります。
5.3 3か月で1000語を定着させる学習プラン例
「英単語を1000語覚える」と聞くと、途方もなく感じるかもしれません。
でも、毎日コツコツ積み上げれば、3か月で十分に達成可能な目標です。
ここでは、英単語を「長期記憶として定着させる」ことにフォーカスした、実践的な3か月プランをご紹介します。
1日:約12語の新出単語+前日の復習
1週間:約84語
1か月:約336語(3か月で1008語)
このペースなら、1日30分〜40分の学習で無理なく続けられます。
期間 | 新出単語数 | 復習内容 | 学習の目的 |
1〜4週目 | 毎日12語 | 前日と3日前の単語 | 新しい習慣の定着+基礎固め |
5〜8週目 | 毎日10語 | 1週前と前日・1か月前の単語 | 中間復習で定着を強化 |
9〜12週目 | 毎日5語 | 過去全体の総復習 | 長期記憶への移行・弱点克服 |
こうすることで、1週間単位の流れが定着し、学習リズムが乱れにくくなります。
3か月間、ペースを保ちつつ復習を重ねれば、1000語が「使える単語」としてしっかり定着します。
▶︎6. 英単語の覚え方と長期記憶を味方にするために
6.1 自分に合った方法を見つける重要性
ここまで、英単語を長期記憶に残すためのさまざまな方法をご紹介してきました。
ただ、すべてを取り入れようとすると、かえって続かなくなってしまうこともあります。
大事なのは「自分に合ったやり方」を見つけて継続することです。
たとえば…
スマホ操作が得意なら、アプリを使った間隔反復が向いています
書いて覚えるのが好きな人は、ノート学習と発音練習が効果的です
忙しい人は、通勤時間を活用した音声学習がぴったりです
一人ひとりの生活リズムや学習スタイルに合った方法を見つけることで、無理なく継続でき、結果として記憶に残ります。
6.2 最後に:焦らず確実に記憶を積み重ねよう
英単語学習は短距離走ではなく、コツコツと積み重ねる長距離走のようなものです。
焦って一度に詰め込むより、毎日少しずつ確実に記憶を積み上げることが、長期記憶への最短ルートになります。
今日覚えた10語が、1か月後にしっかり使えるようになっていたら、それは立派な前進です。
「忘れる前提で復習する」ことを習慣化すれば、誰でも英単語をしっかり覚えられるようになります。
学習に波があるのは自然なこと。大切なのは、「やめないこと」です。
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