中学受験対策に効く低学年からの思考力トレーニング術
- 学習塾 きずな
- 11月18日
- 読了時間: 19分
▶︎1. 中学受験における低学年からの思考力トレーニングとは?
1.1 思考力とは何か?基礎を知ろう
「思考力」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
中学受験における思考力とは、単なる知識の暗記ではなく、「情報を整理し、自分の頭で考え、答えを導き出す力」のことです。
この力は、特定の教科に限らず、すべての科目で求められる土台のようなもの。
たとえば、算数の文章題を読むとき、ただ計算方法を知っているだけでは正解にたどりつけません。
問題文から条件を読み取り、どの情報が必要かを判断し、最適な解き方を選ぶ必要があります。ここで活躍するのが思考力です。
思考力は、「考え続ける体力」とも言える大事な力です。
では、どうすればこの力を低学年のうちから養えるのでしょうか。
まずは以下のような基本スキルと関連しています。
読解力:文章を正確に読み取る力
語彙力:言葉を知って使える力
計算力:基本的な数の感覚
これらが備わっていないと、いくら「考える力」を鍛えようとしても、うまくいかないことが多いです。
こんな失敗もよくあります。
「思考力トレーニング=難問を解かせること」と誤解する
基礎力が不十分なのに応用問題に取り組ませてしまう
答えが出ないとすぐに正解を教えてしまう
こうした失敗を避けるには、「考える時間を与える」「間違いを責めない」「楽しみながら取り組める教材を選ぶ」ことがカギになります。
たとえば、休日の朝に10分だけ「なぜ空は青いの?」といった話題を家族で考えてみるだけでも、立派なトレーニングになります。日常の中で自然に思考力を刺激することが、長続きのコツです。
1.2 なぜ低学年からのトレーニングが重要なのか
思考力は一朝一夕で身につくものではありません。
特に中学受験では、小手先のテクニックでは対応しきれない「初見の問題」「応用力」が問われる場面が多くあります。だからこそ、低学年からの積み重ねがとても大事です。
幼少期から小学校低学年にかけては、脳の発達が著しい時期。この時期に思考する習慣を身につけることで、後々の学習がグッと楽になります。
よくある間違いは次の3つです。
「思考力は高学年からでも間に合う」と後回しにする
「まだ早い」と感じてトレーニングを避けてしまう
知識重視で、思考力を育てる学びをスルーしてしまう
これらの失敗を避けるには、低学年のうちから「じっくり考える」「試行錯誤する」経験を積むことが大切です。
たとえば、テレビ番組でクイズが出たときに「どうしてそうなると思う?」と問いかける習慣だけでも、十分な思考の訓練になります。最初は答えが出なくてもOK。自分の頭で考えようとする姿勢こそが、後に大きな差を生むんです。
また、思考力が早くから身についていると、以下のようなメリットもあります。
問題の本質を捉えるのが早くなる
学ぶことが「楽しい」と感じやすくなる
高学年で応用問題に取り組む際の土台が安定する
早期にトレーニングを始めておくことで、受験直前に慌てるリスクが減らせます。
1.3 中学受験で問われる「考える力」とは
中学受験の試験では、単純な知識問題だけでなく、自分で考えて答えを導き出す力が重視される傾向が強まっています。特に国語や算数では、「なぜそうなるのか」「どう考えたのか」を問う問題が増えているのが特徴です。
たとえば、算数の応用問題では、「問題文が長い」「数値が複雑」「複数の条件が絡み合う」など、単なる計算力では太刀打ちできない内容も多く見られます。
こうした問題を解くには、次のような力が必要です。
情報を整理する力(図や表でまとめる力)
問題の条件を正確に読み取る読解力
筋道を立てて考える論理的思考力
試行錯誤を繰り返す粘り強さ
つまり、「考える力」は複数の力が合わさって初めて発揮される総合力なんです。
低学年からこの「考える力」を育てておくことで、高学年での応用問題に対するハードルが大きく下がります。逆に、この力が身についていないと、いくら知識を詰め込んでも、応用問題の壁にぶつかってしまうことがよくあります。
よくある失敗例としては、
暗記に頼りすぎて、自分の言葉で説明できない
一度間違えると諦めてしまい、深く考えない
解法をすぐ教えてしまい、自力で考える時間が持てない
こうした失敗を避けるためには、「正解を急がず、考える過程を大事にする」ことがカギです。
たとえば、子どもが問題に迷っているとき、「どう考えたの?」と聞いてみてください。それだけでも、頭の中で整理し直す機会になり、思考力が自然と育っていきます。
▶︎2. 中学受験のための低学年からの思考力トレーニングの基本スキル
2.1 計算力・読解力は思考力の土台
思考力を鍛えるうえで、まず欠かせないのが計算力と読解力です。この2つは、どの教科でも必要となる「学びのベース」と言っても過言ではありません。
たとえば算数の応用問題では、いくら考える力があっても、基本的な計算が正確でなければ正答にはたどりつけません。逆に国語では、登場人物の気持ちや場面の変化を読み取るために、読解力が不可欠になります。
「考える」ためには、まず「正確に読む・速く計算する」力が必要なんです。
とはいえ、ここで気をつけたい落とし穴もあります。
単純なドリルを繰り返すだけで、作業になってしまう
読むスピードばかり重視して、内容が頭に入っていない
計算ミスを軽視して「まあいっか」で済ませてしまう
これらの失敗を避けるためには、以下のような工夫が有効です。
計算練習は「正確さ+スピード」を意識した時間計測
読解では音読を取り入れて内容理解を確認する
間違えた問題は「なぜ間違えたか」を一緒に振り返る
たとえば、1日5分の「計算チャレンジタイム」を設けて、何問できるかをゲーム感覚でやってみるだけでも、子どもは楽しみながら集中力を高められます。
読解力のトレーニングでは、短い物語を一緒に読み、「この登場人物はどんな気持ちだったかな?」と問いかけてみるのが効果的です。内容を自分の言葉で説明できるようになると、自然と理解力がアップします。
低学年のうちにこれらの基礎が固まっていると、思考力を育てるステップに進んでもスムーズに学べるようになります。
2.2 語彙力が伸びると論理力も強くなる
思考力のトレーニングというと、パズルや論理問題などに目が行きがちですが、語彙力を育てることも非常に大切です。なぜなら、考えるときには必ず「言葉」を使って頭の中で整理するからです。
たとえば、ある問題について考えるとき、「なぜこうなるのか」「どういうことなのか」を自分の中で言語化できるかどうかが、論理的な思考の第一歩です。語彙が豊富だと、考えを深めやすくなり、相手に説明する力も育ちます。
語彙力は思考の幅と深さを広げる、いわば“頭の中のツール”です。
しかし、語彙力の育成でつまずくケースも少なくありません。
難しい言葉を詰め込みすぎて、使いこなせない
読書量が少なく、言葉に触れる機会が不足している
会話の中で「なんとなく」で理解している言葉が多い
こうした失敗を避けるには、「知っている」だけでなく、「使える」語彙を意識的に増やしていくことがポイントです。
たとえば、次のような取り組みが効果的です。
毎日1語ずつ「今日の言葉」を決めて使ってみる
読書後に「面白かったところを一文で話す」習慣をつける
会話の中で子どもの言葉を少しだけレベルアップして返す
日常の中で「具体的に言うと?」「たとえばどういうこと?」と問いかけるだけでも、子どもの語彙力と表現力はどんどん伸びていきます。
また、低学年ではまだ語彙が限られている分、親の言葉の使い方が大きく影響します。なるべく丁寧で豊かな表現を心がけるだけでも、子どもの語彙習得にプラスになります。
語彙力が豊かになれば、文章を読んで理解する力や、複雑な問題に取り組む際の「説明力」「比較力」も自然と強化されます。
2.3 集中力と忍耐力も一緒に育てよう
思考力を伸ばすうえで、実は忘れてはいけないのが集中力と忍耐力です。どんなに知識があっても、考え続ける力がなければ、思考は途中で止まってしまいます。
特に中学受験では、1問に5〜10分かけてじっくり考える問題も珍しくありません。集中力が続かないと、途中で「もういいや」と投げ出してしまうことに。忍耐強く粘る姿勢があってこそ、思考力は発揮されます。
集中力と忍耐力は、思考力を支える“縁の下の力持ち”です。
低学年のうちからこの2つを意識して育てることで、高学年になってからの学習に差が出ます。
しかし、以下のような失敗はよくあります。
長時間机に向かわせて、逆に集中が続かない
間違えたときに叱ってしまい、考える意欲が下がる
できないとすぐに親が助けてしまう
こういった状況を避けるには、「集中できる時間を少しずつ伸ばす」「失敗を責めず応援する」「見守る姿勢を持つ」ことが大切です。
たとえば次のような工夫が効果的です。
「10分間チャレンジ」など時間を区切って集中する習慣をつける
難しい問題に挑戦したら、できなくても「よく考えたね」と声をかける
答えが出なくてもすぐに教えず、「あと3分考えてみようか」と促す
また、集中力を高めるためには、学習環境も重要です。テレビやスマホが視界に入らない静かな場所で勉強するだけでも、子どもの集中はグッと高まります。
粘り強さは、子どもが「うまくいかなくても大丈夫」と思える経験から生まれます。失敗しても考え続けたことを評価することで、思考力に必要な忍耐も育っていきます。
▶︎3. 中学受験に必要な低学年からの思考力トレーニングの具体的な方法
3.1 パズルや迷路で楽しくトレーニング
思考力トレーニングというと、堅苦しい教材をイメージしがちですが、遊びながら取り組めるパズルや迷路は、低学年にぴったりの方法です。楽しく取り組めることで、自然に「考える習慣」が身につきます。
パズルや迷路は、一見ただの遊びのように見えても、次のような力が育ちます。
問題解決力:どうやって解くかを考える
空間認識力:形や位置関係を把握する力
集中力と持続力:最後までやり抜く粘り強さ
「楽しいから続けられる」=「続けられるから伸びる」、この好循環がカギです。
よくある失敗例を見てみましょう。
難しすぎる問題ばかり選び、やる気をなくしてしまう
すぐに親が答えやヒントを与えてしまい、自力で考える時間がない
やりっぱなしで「できた・できなかった」だけで終わらせてしまう
こうしたミスを避けるには、「子どもが楽しめる難易度」「考えたプロセスに注目する」「振り返りの時間をとる」といった工夫が大事です。
たとえば、「今日はどこで迷った?どうやって解いた?」と聞いてみることで、考える力がぐっと深まります。
身近な教材でおすすめなのは以下のようなものです。
迷路ブック(簡単なものから徐々に難易度アップ)
パターンブロック(形の組み合わせで考える)
数理パズル(数や図形を使った遊び)
リビングの一角にパズルコーナーを作って、気が向いたときにサッと取り組める環境を整えてあげると、習慣化しやすくなります。
3.2 会話で鍛える!親子の「なぜ?どうして?」対話法
思考力は、必ずしも机の上だけで鍛えるものではありません。日常の会話の中で「なぜ?」「どうして?」と問いかけることで、子どもの思考はどんどん深まります。
低学年のうちは、まだ表現力が未熟なことも多いですが、自分の考えを言葉にする経験を重ねることで、論理的な思考力が育ちます。
たとえば、こんな問いかけが効果的です。
「どうしてそう思ったの?」
「もし◯◯だったら、どうなると思う?」
「それって別の言い方をするとどうなる?」
こうした会話を続ける中で、子どもは「自分の意見を考える」「言葉で表現する」「相手の話を聞いて理解する」といった、複合的な力を身につけていきます。
ただし、会話の中でも失敗パターンはあります。
大人が正解を求めすぎてしまう
答えが出ないと子どもの話をさえぎってしまう
子どもの意見を「違う」とすぐに否定してしまう
これらを避けるには、会話の目的を「正解を出すこと」ではなく、「考えることを楽しむこと」にシフトさせることがポイントです。
たとえば、夕食中に「今日のメニュー、どうやって作られてると思う?」と聞いてみるだけでも立派な思考トレーニングになります。意外な視点や想像力が飛び出してきて、親子のコミュニケーションも深まります。
「問いかけ」と「聞くこと」が、子どもの思考を広げる一番身近な手段なんです。
3.3 日常生活でできる簡単トレーニング3選
思考力トレーニングというと、特別な教材や時間が必要だと思っていませんか?
実は、日常の中に「考える力」を育てるヒントがたくさん隠れています。
ここでは、忙しい毎日でも取り入れやすい、簡単なトレーニング方法を3つ紹介します。
① おつかいミッションで記憶力&判断力アップ
スーパーに行くとき、「牛乳・卵・食パンを買ってきてね」と子どもに伝え、実際に選ばせてみましょう。
価格やサイズを見比べたり、売り場を探したりする中で、「目的に合った選択をする」力が養われます。
さらに「なんでこれを選んだの?」と聞けば、判断の理由を説明する練習にもなります。
② 天気予報クイズで仮説思考を養う
朝の天気を見ながら、「今日は雨が降ると思う?どうして?」と問いかけてみてください。
空の様子や昨日の天気から考えることで、仮説を立てる力や因果関係を読み取る力が自然に育ちます。
「当たったね!すごい!」「どうして外れたと思う?」など、結果に対してもフィードバックするのがポイントです。
③ 料理中の声かけで論理力を刺激
一緒に料理をするとき、「なんでここで火を止めるの?」「材料の順番ってなんで大事なんだろう?」といった質問をしてみましょう。
段取りを考える、手順を守る、理由を説明する――これらはまさに論理的思考のトレーニングです。
日常のあらゆる場面が、考える力を伸ばす「教材」になります。
気負わずに、毎日の暮らしの中で「ちょっと考えてみようか?」と問いかける習慣を作ることで、子どもの思考力は自然と磨かれていきます。
▶︎4. 低学年からの中学受験準備に必要な家庭の役割
4.1 家庭学習の環境づくりが大事
思考力を伸ばすには、「どこで学ぶか」もとても重要なポイントです。
特に低学年のうちは、家庭での学習時間が多いため、家庭環境が子どもの思考力に与える影響は大きいです。
まず大切なのは、集中できるスペースを確保すること。
テレビの音やスマホの通知が聞こえるような環境では、じっくり考えることは難しくなります。
子どもが「安心して考えられる空間」が、思考力の土台になります。
よくある失敗例は次のようなものです。
リビングのテレビがついたままで勉強している
ダイニングテーブルで毎回場所が変わる
勉強スペースがごちゃごちゃしていて集中できない
これらを防ぐためには、以下のような工夫がおすすめです。
同じ時間・同じ場所で学ぶ習慣をつける
テレビやスマホを遠ざけて、静かな環境を作る
学習用の棚やボックスで文房具や教材を整理する
また、壁にカレンダーや「できたシール」などを貼って視覚的にモチベーションを上げる工夫も効果的です。
「学びの場」と「遊びの場」を分けることで、気持ちの切り替えもスムーズになります。
特別な家具や部屋がなくても、ちょっとした仕切りや布を使うだけで、子どもにとっては十分な学習空間になります。
毎日の積み重ねを支える家庭環境づくりは、思考力の成長に直結します。
4.2 親の関わり方で意欲が変わる
思考力を伸ばすには、教材や環境だけでなく、親の関わり方が非常に大きな影響を与えます。
特に低学年の子どもは、親の反応や声かけによって、「考えること=楽しい」「失敗しても大丈夫」と感じられるようになります。
子どもが自分の考えを話したとき、どんな返しをしていますか?
「違うよ」「それじゃダメ」ではなく、「面白い考え方だね」「どうしてそう思ったの?」という言葉をかけるだけで、子どもの思考は伸びていきます。
親が「答え」ではなく「考える過程」に注目すると、子どもの思考意欲はぐんと高まります。
ただし、関わり方でよくあるNG例も見逃せません。
正解をすぐに教えてしまう
できなかったことを責めてしまう
本人の意見を聞かずに先回りしてしまう
こうした関わり方では、子どもは「間違えたら怒られる」「考えても無駄」と感じてしまい、思考を止めてしまいます。
逆に、以下のような対応が思考力を育てるうえで効果的です。
「どう考えたのか」を一緒に振り返る
間違っても「いい発想だったね」と肯定的に受け止める
小さな成長にも「頑張ったね」と声をかける
たとえば、「今日は最後まで考えたのがすごかったね」といった声かけは、子どもにとって自信につながります。
成功体験だけでなく、「考えたこと自体」を評価されることで、思考そのものに前向きになれます。
親の関わり方ひとつで、思考力の伸び方が大きく変わります。
4.3 やってしまいがちなNG行動とは?
思考力を育てたいと思っていても、ついやってしまいがちな親の行動が、逆効果になることもあります。
「良かれと思ってやっていたこと」が、実は子どもの思考力を妨げているケースは少なくありません。
ここでは特に注意したいNG行動を3つ紹介します。
① 正解にこだわりすぎる
「それじゃ正解じゃないよ」「こうやって解くのが普通だよ」といった声かけは、子どもが自分の考えを表現する意欲を奪ってしまいます。
思考力を伸ばすには、「どう考えたか」を大事にする姿勢が必要です。
② 解き方をすぐ教える
問題につまずいたとき、すぐに答えや解き方を教えてしまうと、「考える時間」が奪われます。
間違えてもいいから、自分の力で考えてみる経験が、思考力には欠かせません。
③ 他の子と比べる
「お友達はもうできてるよ」「どうしてできないの?」という言葉は、プレッシャーを与えるだけでなく、思考する意欲を低下させます。
子どもは「比べられる存在」ではなく、「伸びようとする個人」として接することが大切です。
このようなNG行動を避けるには、次のような姿勢が効果的です。
正解よりも「考えた過程」を認める
答えが出なくても「頑張ってるね」と見守る
子ども自身のペースを尊重する
たとえば、「今日は答えが出なかったけど、しっかり考えてたのがすごいね」と声をかけるだけで、子どもの表情がパッと明るくなることもあります。
親の何気ない一言が、子どもの思考力に大きく影響するんです。
▶︎5. 中学受験における低学年からの思考力トレーニングでよくある失敗と対策
5.1 失敗例①:知識詰め込み型の勉強になってしまう
思考力を育てたいはずが、いつの間にか「知識の暗記」中心になってしまうケースはとても多いです。
中学受験では覚えることも多いため、低学年のうちから先取り学習に走ってしまうご家庭もあります。
しかし、暗記一辺倒の学び方では、思考力は育ちません。
たとえば、算数の公式を丸暗記しても、それがどうして使えるのか理解していなければ、応用問題には対応できません。
よくあるパターンとしては:
知識の確認テストばかりを繰り返す
答えを早く出すことばかりを求める
子どもが説明する前に「それ違う」と遮ってしまう
このようなケースでは、「考える」時間が圧倒的に不足しがちです。
対策としては、次のような方法があります。
答え合わせ後に「どうやって考えたか?」を子どもに聞いてみる
1問にかける時間を少し長めにとる
正解以外の考え方も「おもしろいね」と受け止める
大切なのは、「結果」よりも「プロセス」に注目する姿勢です。
5.2 失敗例②:教材に頼りすぎてしまう
市販の問題集や通信教材はとても便利ですが、それに頼りすぎると「教材をこなすことが目的」になってしまうことがあります。
特に低学年では、「どれだけページを進めたか」に親も意識が向きやすくなり、「どれだけ深く考えたか」が軽視されがちです。
ありがちな失敗は以下の通りです。
毎日1冊終えることに必死で、理解が浅いまま進んでしまう
難しすぎる問題に無理に取り組み、自信をなくしてしまう
「できた=考えた」と勘違いしてしまう
このような事態を防ぐには、次のような工夫が有効です。
1ページ進めるよりも、1問をじっくり考える時間を確保
難しすぎる問題は思い切って後回しにする
親子で問題を一緒に読み、「この問題、どう思う?」と対話する
教材はあくまで「きっかけ」に過ぎません。大切なのは、「教材をどう使うか」なんです。
5.3 失敗例③:継続できず三日坊主に
どんなに良い方法でも、継続できなければ効果は出にくくなります。
低学年の思考力トレーニングでは、継続が一番のポイントです。
しかし現実には、次のような理由で途中でやめてしまうケースが多いです。
子どもが飽きてしまった
忙しくて続ける時間が取れない
効果が見えず、親が焦ってやめてしまう
思考力は目に見える形での「伸び」がわかりづらいため、継続のモチベーションが保ちにくいのです。
そこで必要なのが、「楽しみながら続ける仕組み」を作ることです。
ゲーム感覚で「○分チャレンジ」などを取り入れる
カレンダーに「考えた日シール」を貼って見える化する
親子で競争しながら考える問題を出し合う
たとえば、1日5分でも「考える時間」を続けるだけで、1ヶ月後には2時間半の思考トレーニングが積み重なります。
思考力は、地道な積み重ねでしか育ちません。
「少しずつでも、毎日続ける」が最も効果的な対策です。
▶︎6. 中学受験に必要な低学年からの思考力トレーニングまとめ
6.1 思考力は日々の積み重ねがカギ
中学受験で求められる「思考力」は、決して一朝一夕で身につくものではありません。
特に低学年のうちに意識的にトレーニングを取り入れておくことで、高学年になってからの学習の質が大きく変わります。
ここまで紹介してきたように、思考力を育てるには以下のような基本が大切です。
読解力・計算力・語彙力といった基礎スキルの習得
楽しみながら取り組めるパズルや迷路の活用
親子の対話を通じた日常的な「問いかけ習慣」
家庭環境と親の関わり方の工夫
よくある失敗に気づき、早めに修正すること
小さな積み重ねが、子どもの考える力を着実に育てていきます。
6.2 今からできることを一歩ずつ始めよう
「何から始めればいいの?」と迷う方も多いかもしれませんが、最初の一歩はとてもシンプルです。
子どもが迷路をやっていたら、「どこが難しかった?」と聞いてみる
テレビを見ているとき、「この後どうなると思う?」と問いかけてみる
買い物中に「どれが一番お得かな?」と一緒に考える
こうした日常の会話や遊びの中に、思考のきっかけはたくさんあります。
大事なのは、正解を求めすぎず、「考えることって面白い」と子どもが感じられる環境を作ることです。
そして、思考力の育成は、家庭だけで頑張りすぎなくても大丈夫です。
学習塾きずな -Kizuna-では、低学年からの思考力トレーニングに力を入れた指導が行われています。
プロのサポートを受けながら、着実に「考える力」を育てていきましょう。
▶︎中学受験なら、学習塾きずなにお任せください!
幼児期からの思考力トレーニングに力を入れた指導で、考える力をじっくり育てます。
中学受験に向けお子さま一人ひとりに合わせた指導で、目標達成に向けた最適な学習プランを提供します。
受験を通じて、人としての成長と「生きる力」を育むことを大切にし、保護者の皆様と一緒に悩みを解決しながら、「絆」を深めていきます。お子さまの成長を一緒にサポートし、成功へと導きます。
詳しくはホームページをご覧ください。



コメント